外の流しに設置してある、ネットに入ってぶら下がっている石鹸。
この石鹸をカラスがくちばしでネットを裂いて持って行っていくことを聞いたことがありますか?
カラスはその他ローソクや石灰など、人間が食べないものも持って行きます。
それはいったい何のためでしょうか。
石鹸とローソク、ふたつの品に注目してみました。
石鹸とローソク
石鹸の成分は油脂
石鹸に含まれている成分は油脂です。
カラスはこの油脂目的で、食べるために石鹸をくわえていきます。
食べ物や光るものを集めて隠す習性があるので、その場で食べるのではなく、くわえて持ち去るのです。
日本でよく見られるカラスはハシブトガラスとハシボソガラス。
このうち動物性の食べ物を好む肉食のハシブトガラスが油脂目当てに石鹸を食べます。
人間が設置した石鹸がなくなるのは一年を通してではなく、食べ物が少なくなる冬に多く発生しています。
考えられることは、カラスは好んで石鹸を食べているとはいえないようです。
和ローソクの成分も油脂
細めの洋ローソクは石油でできていますが、太めの和ローソクは植物性の油脂でできています。
商売繁盛の神様で知られる、京都の伏見稲荷大社での出来事です。
この神社に設置してあった火のついたローソクをカラスがくわえて飛んでいくのが参拝客によって目撃されました。
このローソクは、脂肪成分が多く含むハゼノキの実の脂を何層にも塗りこまれてあった和ローソクです。
火がつき、熱くなって溶け出した和ローソクをなめるのも、カラスは大好きなんです。
協力し合うハシブトガラス
ハシブトガラスは鳥類の中でも、もっとも知能が発達されていて、仲間と協力したり鳴き声による意思疎通をおこなっています。
頭が良いため、人間の顔を記憶することもできます。
カーカーと澄んだ声で鳴くのが特徴。
翼を広げた翼開長は、105㎝。
体重は450g~800gです。
遊び心でおこなう遊戯行動もよくみられます。
電線にぶら下がったり、公園のすべり台ですべって遊ぶのもハシブトガラスです。
器用な鳥・ハシボソガラス
ハシブトガラスに比べてほそめのくちばしが特徴のハシボソガラス。
しゃがれ気味にガーガーと鳴きます。
とても器用なカラスで、信号待ちのため停車中の車のタイヤの前にクルミをおき、硬い殻を割らせるなどの知能行動を見せます。
翼開長は、ハシブトガラスより小さめの90㎝。
体重は400g~600gです。
雑食で小動物も食べますが、果実や種子など、比較的植物性の食べ物を好みます。
まとめ
カラスの被害をなくすために、キラキラしたCDや、かかしなどの対策もありますが、頭のいいカラスはすぐに見破ってしまうので、3日ごとに策を変えなくてはなりません。
そして、一度見破られた策は、日をおいて再び使っても効果は期待できないそうです。
固形石鹸は昔から使われているロングセラー。液体のハンドソープより断然使いやすいという人もいます。
ふたを開けたり、プッシュしなくてもすぐ使えるのが魅力の石鹸。
カラスに持って行かれないようにするには、外に置く際パチンとフタのしっかり締まる容器に入れておくしか方法はなさそうです。
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