サッカー日本代表のエンブレムに、黒い鳥のようなモチーフが描かれているのはご存知ですか?
実はこの、日本代表ユニフォームの胸についている黒い鳥は三本足のカラスで、1931年に制定されたJFA(日本サッカー協会)のシンボルマークなんです。
80年以上前に考案されて以来ずっと使い続けられている、非常に歴史あるシンボルなんですね。
ではなぜこの三本足のカラスがシンボルなのか、今回はそれについて調べてみました。
三本足のカラスの正体とは
実はこの三本足のカラス、「八咫烏(やたがらす、やたのからす)」という名前なんですって。
八咫烏は日本神話において神武東征(日本神話で神武天皇が日向の国から大和を征服して、天皇として即位するまでを描いた説話)の際に高皇産霊尊(高木の神)から神武天皇のもとに遣わされ、熊野から大和まで道案内をしたとされるカラスのことです。
導きの神として信仰されているほかに、太陽の化身ともされています。
咫(あた)とは長さの単位で、親指と中指を広げた長さ(約18㎝)のことで、八咫とは144㎝となりますが、ここではごく単純に大きなカラス、という意味のようです。
八百万などといったように末広がりにたくさんある、という意味でしょうね。
なぜ三本足なのか
八咫烏が三本足である理由には、諸説あるようです。
・三本足が天、地、人を表している
・熊野に勢力を持った豪族、熊野三党を表している
などなど様々に説があります。
しかし、古事記や日本書紀には八咫烏が三本足であるということは記述されておらず、平安中期の辞書にそれが記されていたようです。
この頃に、八咫烏が中国や朝鮮の伝承の鳥「三足烏(さんそくう)」と同一視され、混ざってしまったみたいですね。
サッカーのエンブレムが八咫烏なわけ
日本サッカー協会は中国の故事に基づいた三本足のカラスを採用したとされていますが、その理由も諸説あるようです。
ちなみに、ホームページでは三足烏(やたがらす)と記されていました。
元々の「神の使いとしての烏」への信仰と「太陽の霊鳥」が集合されたものともいわれていますし、神武東征の神話から「日本を勝利へと導く」シンボルとして採用されたともいわれています。
日の神=太陽をシンボル化したものとされ、神武天皇を導いたように日本のボールをゴールに導くように、という願掛けという説もあります。
まとめ
いかがでしたか?
八咫烏は勝利の導き手であり、勝利のシンボルでもあるのです。
また、八咫烏には足が三本もあるので、足を使うスポーツには似つかわしいという考えもあります。
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