秋になると、大陸から日本へ群れを成して飛来し、越冬する渡り鳥。
そして春、再び大陸へ繁殖のため戻っていきます。
日本で見られるカラスの中で、冬を越すためにやってくる渡り鳥とはどんな種類なのでしょうか。
北海道東部で越冬するカラス
北海道の東部で越冬するカラスがワタリガラスです。
体長は65㎝くらいで、カラスの中でも一番大きいです。
鳴き声はさまざまですが、「かぽっかぽっ」と珍しい声で鳴くのが特徴です。
九州で越冬するカラス
主に九州で越冬するのがミヤマガラス。
かつては西南日本でしか見られませんでしたが、近年温暖化の影響なのか渡来域が北上して、北海道南西部でも観察できるようになりました。
体長は45㎝~50㎝。
くちばしは細く白いのが特徴です。
ミヤマガラスの群れに混じって飛来し、同じく九州で越冬するコクマルガラス。
体長は30㎝で小さく、頚部から腹部の羽毛が白いタイプと、全身の羽毛が黒いタイプがいます。
ミヤマ同様、渡来域が北上しているのが観察されています。
なぜ長い距離を飛び続けられるの?
渡り鳥が何日も休まずに海の上を飛び続けられるのには、飛び方の工夫があるんです。
それは、一羽のリーダーを中心に、Vの字になって集団で飛ぶというものです。
では、リーダーの後ろに続いて飛行中の渡り鳥をイメージしてみましょう。
前を飛んでいる鳥の羽から翼端渦(よくたんうず)と呼ばれる流れが起きて、後ろの鳥は真後ろではなく斜め後ろに位置することにより、その流れに乗ってラクに飛ぶことができるのです。
だから集団で飛ぶ渡り鳥たちは、あのようにきれいに並んでいるんですね。
先頭のリーダーのカラスはいつも決まっている鳥ではなく、疲れたら交代するという工夫をしています。
日本で見られる渡り鳥について
日本にやってくる渡り鳥のタイプを調べてみました。
中国大陸の中でも、日本より北の寒い地方から越冬のためやってきて、冬が終わると繁殖のため再び北の大陸へ渡っていく鳥を冬鳥といいます(カラス・ハクチョウなど)。
日本より南の暑い地方から繁殖のためにやってきて、避暑地として夏を日本で過ごし、繁殖期が終わると南の国に渡っていく鳥を夏鳥といいます(ツバメ・カッコウなど)。
日本より北の国で繁殖し、日本より暖かい南の地方で越冬をする渡り鳥を旅鳥といいます。
旅鳥は、日本では繁殖も越冬もせず、通過する際に一時的に日本で生活します(シギ・チドリ類など)。
まとめ
渡り鳥ほど長い距離を移動はしませんが、暑さ、寒さを避けるため山地と平地の短い距離を往復する鳥を漂鳥(ひょうちょう)といいます。
この局所的な渡り鳥は、アカハラやウグイス、そしてカラス科のひとつでもあるカケスも含まれています。
一年を通して同じ地域に生息する留鳥(りゅうちょう)だけだと思われがちなカラス。
カラスは、長い距離を飛来する渡り鳥のタイプとしても、日本で見ることができるんですね。
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カラスもなかなか奥が深いですね、面白く読ませていただきました。私は野鳥が嫌いではありません。私の場合、糞の被害はそんなに大きくうありませんので、糞掃除ぐらいであればそんなに苦になっておりませんでした。 私事ですが、家の横に電柱があり4~5羽のカラスの休憩場所になっていました。よくごみを散らかしていましたが、毎日掃除をしておりました。しかし泥棒に4回/年、境界侵入があり、防犯装置を設置したり、関電SOSと契約したりしましたが、カラスの散らかすごみが泥棒の不在確認に利用されるため、追い払いを決めました。追い払いは1週間ほどでうまくいきました。ここまでは良かったのですが、カラスがいなくなったため、今年初めて燕の幼鳥が数十羽、生垣に沿った電線に飛来してきました。その結果、2.5時間ほどの庭仕事で85か所ほど、燕の幼鳥が羽繕いした際に飛散した、トリサシダニにかまれました。又
カラスがいなくなってから、燕の幼鳥に加えてムクドリ、ヒヨドリ、鳩が来るようになり、この方が困っております。
ごみを散らかさなければ(不在確認されるため)、カラスは結構自宅の安全を守ってくれていました。 こんなこと言う人は、いないと思いますが、カラスは悪いことばかりではありません。ドバト、燕のように多くの感染症を運んでくることもありませんし。
鳩、ムクドリ、ヒヨドリ、燕の幼鳥を追い払うくらいであれば、カラスのごみ掃除をするほうが、よほど、いいかもしれません。