激しく揺れる枝にじっとつかまって台風が過ぎ去るの待っているカラスたち。
でも本当に雨風が強烈な時は、安全な場所を見つけて雨宿りをしているのです。
野生の鳥たちは台風の間はどこにいるのでしょうか。
民家の軒下などで避難
多少の雨や風なら、カラスたちは飛ぶことができます。
その羽には、水をはじく脂のおかげで雨水をしみこませず、また、体温がうばわれることがないからです。
でも、台風などの暴風雨ではどうでしょうか。
カラスだけでなく、野生の鳥たちは雨風から身を守れる安全な場所を知っており、木のほらや民家の軒下などに身を寄せています。
お寺や神社などの床下や橋げたなど、どこか身を隠せる場所にも避難してきます。
風でも落ちない工夫
カラスの巣に針金でできたハンガーが使われていることはよく知られていますよね。
それは、巣を作るのに好都合なんです。
木の枝と枝との間に一本ならばそのままのっかてくれますが、さらに枝を積み重ねるとうまくいかず落ちてしまうのです。
そのため、この針金ハンガーなら先が丸くなっていますのでそこをうまく利用し木に引っかけるのです。
外側はかたい外巣で、この針金ハンガーや太い枝が使われます。
台風でも落ちないようしっかりと枝に引っかけて作ります。
内側はやわらかい内巣になっており、細い枝や、草、コケでできています。
そのやわらかい所にカラスは産卵します。
作り始めたころの地面には数本の枝が落ちていますので、ああ、ここにカラスが巣を作っているんだなと知ることができます。
しかし、丈夫につくられたカラスの巣ですが、針金ハンガーが原因で電車が止まるという事態になったケースもあります。
架線を支える鉄柱に作られたカラスの巣。
この巣からずり落ちた針金ハンガーが架線に接触。
そのハンガーを通して鉄柱に電気が流れ、停電になってしまったのです。
針金ハンガーだけでつくられたカラスの巣を調べると、なんと重さが10㎏もあったそうです。
台風でも落ちないように工夫されているとはいえ、万が一地面に落ちてきたら非常に危険です。
カラスの巣付近は、台風の時は絶対に通らないようにしましょう。
台風の多い沖縄は?
過去10年で80回も台風がやってきた沖縄県ではどうでしょうか。
沖縄にもカラスはいるのですが、ごみあさり被害は他県に比べると少ないようです。
以前は沖縄本島北部しか見られなかったカラスですが、最近では南部でも確認されています。
まとめ
残念なことに台風によって、運悪く強風にあおられて亡くなってしまう親ガラスもいます。
こうして、巣で待っている子ガラスにエサを届けてやれない場合もあるのです。
台風の多い8月9月には子ガラスも巣立っているので無事に避難できますが、まだ飛べない赤ちゃんガラスのうちに強風の被害にあってしまったら、私たちは何もせず見守るしかないのです。
カラスは頭の良い鳥です。
巣作りの最中に、春の強風にあおられてここは危険と感じたら作りかけの巣でもあきらめ、他に適した場所を探すのです。
こうやって上手に子育てをしていくんですね。
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